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通貨オプションを理解する(1)
通貨オプションについて何回かに分けてやさしくお話しします。
ある企業が1億円を3ヶ月間ドル預金で運用するとします。今なら108円でドルを買うと約93万ドルです。ただし預金の満期にドルが100円になっていたら為替差損が出ます。
この差損が大きければ、ドルと円の金利差など、簡単に吹き飛んでしまいます。このリスクを避けるために、ふつうまず考えるのがドルの売り予約、いわゆる「売りヘッジ」です。預金をした翌日に何かの理由でドル/円が110円になったら、そこで預金の満期に合わせて元利合計分のドル売り予約をすれば、2円の為替差益が確定します。
これで十分利益が出ますが、もしその後もドルが上昇を続け、3ヵ月後にはさらに10円上がって120円になっていた場合、
「どうしてあんな円高の時に売ってしまったんだ...」
ということになるかもしれません。
そこで,「円高で損をしたくない。しかし円安になった時の利益を最大限手にする方法はないか」という、虫のいいニーズに応えるための商品が考え出されました。それがオプション取引です。最初は株式の取引で開発されたものです。
つまりオプション取引とは、上の例で言えば
1ドル=110円でドルの売り予約をする。
実勢レートがそれより安ければ予約を実行できる。
実勢レートが予約より高くなったら予約を放棄することができる
というもので、日本語では「選択権付き為替予約」と呼んでいます。
もちろんこれにはコストがかかります。なぜならこの取引はドルを110円で
「売ることができる権利」
であるため、この権利の対価をオプション料という形で支払わなければなりません。例えばオプション料が1ドルあたり1円というように、為替レートに換算した形で約定した上で、為替の決済金額とは別に支払います。
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