メタボ健診の義務化と上手な使い方

メタボ健診で検査する項目は、腹囲、血糖値、コレステロール値、それに血圧です。
腹囲に関しては、肥満の進行度について診断する為に測定しますが、男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上が指導の対象となる、というのがひとつの基準とされています。

しかし腹囲が必ずしも肥満を図るバロメーターになるとは限りません。腹囲が大きな人には、元々ガッチリした体型の人や、腹筋を鍛えている人が含まれるからです。極端な例では、身長が2メートルくらいある男性の腹囲が85センチでも、全く太っているとはいえません。逆に、腹囲80センチでも身長が150センチくらいの人ならば、太っていると言えます。

基準値以下であっても、お腹の中が脂肪ばかりならそれは肥満ということで、いわゆる隠れ肥満です。メタボリックシンドロームを定める基準値は国によっても異なるので、85センチ、90センチならば必ずしも肥満であるということにはなりません。

メタボ健診では、残念ながらそういった細かい部分までの検査はできません。一定の基準値を取り敢えず定めてみました、と理解すればいいでしょう。実際、全ての受検者にそこまで詳しい検査をしていたら、かなり多くの時間がかかります。そういう意味でこれは致し方ないことだと思われます。

仮にそういった項目で引っかかって指導を受けたとしても、それは全く恥だと思う必要はありません。メタボ健診の指導の際に、医師や保健士の方が把握している内容についてきちんと説明をしてもらえばいいのです。